-与那原通(よなばるつう)-

海から町づくり。与那原でマリンフェスタ開催を!

2012年5月16日(水)

2012年3月24日にNPO法人になった「与那原通」。同じ頃、もう一つのNPO法人が与那原に誕生しました。「特定非営利活動法人SABANIZM」です。「沖縄の、海と一緒に生きていく」をテーマに、沖縄の海を知る・守る・遊ぶための環境づくりに取り組んでいます。与那原通の同級生ともいえるべき「SABANIZM」について、代表理事の與那覇武さんに話を伺いました。

 

 

サバニズム

昨年7月に創刊された「SABANIZM」

─特定非営利活動法人SABANIZM (サバニズム)は、どんな活動をしているのでしょうか?

 

漁師やマリンレジャーを生業とする海に関わるプロたちや、レジャーとして海を楽しみたい人たちをつなぐために、情報の共有や発信、ネットワークづくりを主な事業としています。温暖な気候に恵まれ、美しい海に囲まれている沖縄は、ダイビングやサーフィン、ジェットスキー、そして釣りなどマリンレジャーが盛んですが、それぞれの関係者のつながりはほとんどありませんでした。せっかく同じ海に関わっているのだから、それぞれをつなぐことによってネットワークが広がり、マリンをテーマにした町おこしや、環境問題にしても、連携が取りやすくなるのではと思い、「SABANIZM」を立ち上げました。

 

 

 

 

ビーチクリーンアップにしても、サーファー仲間で行ったり、釣り関係者だけで実施するなど、それぞれがバラバラに行っていた。ジャンルを超えたマリン関係者との知り合いが多かった與那覇さんにとって、それぞれがつながっていないことが不思議だったという。

 

 

─與那覇さんがマリンレジャーと関わるようになったのはいつ頃ですか?

 

マリンレジャーというほどではないのですが、板良敷で生まれ育ったので、子どもの頃から当たり前のように、目の前の海で素潜りや釣りなどを楽しんでいました。社会人になり運送会社でサラリーマンをしながらも趣味として釣りを続け、休日に辺戸岬に出かけていました。同時にマリンスポーツもやっていたので、北谷町漁業協同組合の組合長から、マリンレジャーの世界へと誘いを受けました。

 

 

─それはどういった内容ですか?

 

「有限会社 北谷海人の会」が、北谷のアラハビーチで、近隣のホテルに宿泊している観光客などを対象にダイビングやウェイクボード、マリンジェット、カヤック、釣りなどのマリンレジャーを提供していました。そこの統括マネージャーとして、現場や企画を見てくれないかと誘われました。そこでマリンレジャーに携わるうちに、マリンをテーマにしたイベントをやりたいと思うようになり、「アラハマリンフェスタ」を企画しました。

 

マリンフェスタ

北谷で行われた「アラハマリンフェスタ」の模様

 

 

─マリンフェスタの内容は?

 

より多くの人にマリンスポーツの楽しさを知ってもらうために、一般の人向けにグラスボートやウェイクボード、ドラゴンボート、カヤックなどのマリンメニュー体験をはじめ、ジェットスキーのレース大会、ウェイクボードのプロのデモンストレーションなどを企画しました。

 

 

─イベント開催は大変だったのでは?

 

マリン関係の知り合いが多くつながりもあったので、皆さん、快く引き受けてくれました。このイベントを通して、さらにマリンスポーツに関わる人たちとつながり、同じ海に関わる者同士、連携を取り合うことの大切さを実感したのが、「SABANIZM」立ち上げのきっかけになったといってもいいですね。

 

 

與那覇武─与那原町との関わりは?

 

生まれ育った町だというのが大きいですね。北谷でマリンレジャーに関わりながらも、「いつかは地元与那原で」という思いがありました。その“いつか”が急展開したのが、昨年です。東浜にあった釣具店から引き継がないかと声がかかったんです。まさか自分が釣具店をやるとは思っていませんでしたが、「SABANIZM」の活動拠点がほしいと思っていたので、活動拠点を兼ねて釣具店をやることにしました。

 

 

釣具店を引き継ぐにあたり、小型店向けに商品を見直し、エサ専門店としてより地域に密着した品揃えに変えたという。さらに海を身近に感じてほしいと思い、釣りの体験教室も実施している。

 

 

─釣り体験もやっているそうですね。

 

釣りの初心者向けに、与那原の海での磯釣りを教えていますが、力を入れているのが、沖縄の美しい海をいつまでも守るための環境づくりです。

 

 

─環境づくりとは?

 

簡単に言ってしまえば、ビーチクリーンです。いつまでも魚やサンゴのいる海を守るためには、海からの恵みを楽しんでいる本人たちが守らなければいけない。そこでごみを出さない釣具店を目指し、事前の準備により釣り場にごみを持ち込まないように指導しています。また、釣れるからといって無制限に釣っていれば、いずれ魚もいなくなってしまいます。釣具店を経営している自分が言うのも矛盾しているかもしれませんが、禁漁区や期間を設けてもいいのではと思っているくらいです。

 

 

魚拓

 

與那覇さんは、尾長グレの達人として、沖縄県の第一人者として知られる釣り人。釣り具メーカーのテスターとしても活躍している。20年ほど前、尾長グレを釣り上げる人がいると噂になり、ある釣り雑誌の取材を受けたとき、その雑誌が発刊された直後、行きつけのポイントがごみであふれかえったというショッキングな出来事が。以来、與那覇さんが名誉会長を務める「Okinawa磯club」では、20年来ビーチクリーンを行っているという。20年前といえば、まだエコロジーやビーチクリーンという言葉も珍しい時代だ。

 

 

─与那原におけるマリンスポーツの可能性は?

 

昔、マリンスポーツのメッカといえば、「佐敷マリーナ」の名前があがったように、東海岸だったんです。それが今では西海岸のイメージが強くなっています。でも東海岸は、西海岸に負けない、いやそれ以上のものができると思っているんです。与那原マリーナが整備されれば、そのスピードも増します。ただ待っているだけでは進まないので、与那原でマリンフェスタが開催できるように準備をしているところです。その一歩として、今年の与那原まつりでは、ヤマハの協力を得て、水路を利用した「ボート体験」を計画しています。

 

 

水路

この水路にボートが行き来する事を想像するとワクワクしてくる

─水路ですか?

 

東浜を走る水路に、とても魅力を感じています。ヒルギを植えればマングローブになり、緑のある水辺を演出することができます。実際、知念高校の裏あたりには、自然に根付いたヒルギが芽をだしているんですよ。また、海外のリゾート地に代表されるマリーナベイのように、水路に小舟を浮かべて遊覧するなど観光にもつながります。今は陸から町づくりをしていますが、海から町づくりを考えると、もっともっと夢は広がります。そのためにもより多くの人に海を身近に感じてもらい、大切に守りたいという気持ちをもってもらいたい、そのために「SABANIZM」は、いろいろな人をつなげていきたいと思っています。

(構成・写真:czwrite)

 

 

  • SABANIZM
  • 住所:沖縄県島尻郡与那原町字東浜24-6
  • TEL:098-944-4888
  • 営業時間:7時〜20時(季節により変動あり)
  • URL:http://sabanizm.com/

 

沖縄県島尻郡与那原町東浜24−6

 

【取材後記】

この取材を終えてふと、「何年海で泳いでないだろうか」と思ってしまった。あまりにも身近すぎて、海から遠ざかっていることに気づく。マリンスポーツを趣味として楽しむ県外の人にとって、これほど恵まれた環境はないはずなのに…。それは与那原にしても同じ。海やリゾートといえば、西海岸と勝手に思い込んでいたけど、与那原にそんな魅力があるなんて考えもしなかった。今回のインタビューはそんなことに気づかせてくれる、貴重な時間になった。