-与那原通(よなばるつう)-

第8回 孫悟空と浦島太郎、“支度中”

2010年8月13日(金)

ついに大綱曳本番を迎えた8月8日。綱曳資料館3階ではお昼から“支度のシタク”が始まりました。

 

「支度」というのは「綱の上に乗る人」のこと(写真右参照)。大綱は支度を乗せ、商店街の中央通りから道ジュネー(行列)を行い綱曳会場へ運ばれます。与那原大綱曳では、琉球史劇や昔話をテーマに毎年違った「出し物」を披露していて、支度に選ばれた人たちはその登場人物に扮し綱に乗ります。

 

 

昔から、大綱曳当日にしか明かされない出し物のテーマ。今年は「孫悟空」と「浦島太郎」でした。

支度部屋へ行くと主役の孫悟空がすでにメイク中…。

孫悟空メイク

 

メイクのあとは、すかさず着付け。

孫悟空と小道具

写真左)赤と黄色の布をくるくるっとねじって孫悟空の腰ひもに。写真右)使われる小道具はすべて手作りです。

 

時間がたつにつれ、支度の準備をする係のみなさんもフル稼働。
18人の登場人物に次々と化粧をほどこし、衣装や小道具を合わせていきます。

着付け

▲浦島太郎(左)と牛魔王(右)

 

三蔵法師や猪八戒、沙悟浄、浦島太郎に乙姫、亀、魚…。開始から3時間ほどで、ほぼ全員の支度が整いました。

 

出発までは、しばし部屋で待機。

待機中

談笑したり、記念撮影をしたり。↑浦島太郎と沙悟浄のツーショットを孫悟空がパチリ。猪八戒はワンセグ視聴中!?

 

乙姫などの配役もあるけれど、支度は男性と決まっています。先頭に立つ旗持ち(出し物の名前などを書いた旗を持つ役)の男の子は中学生。自薦・他薦問わずで選ばれますが、道ジュネーの間、上下左右に動く綱の上でじっと静止し、綱曳が始まる瞬間、タイミングよく綱から降りなければならないので、「運動神経の良さ」が最も重要視されるようです。

 

道ジュネー開始の16時が迫り、係のみなさんも慌しく衣装に着替えます。

その後、係から支度へ、立ち方の指導や綱曳での注意事項が伝えられました。

係着替え、説明

 

企画や準備だけでなく、道ジュネーの最中も綱と平行して歩き、支度が落ちないよう気を配るのも係の仕事。係のベテラン、照屋さんの話によると、以前、出し物のテーマがやはり孫悟空だったとき、主役の孫悟空が道ジュネーの途中で落下! 「猿も木から、いや綱から落ちる!」と笑い話になったそうです。今回も孫悟空は特にプレッシャー!?

 

また、支度は綱曳が始まった瞬間、綱と一緒に“飛び降りている”ようにも見えるのですが、実際は綱が地面についてから降りないとケガをします。しかも観覧席側に降りないと綱に戻れなくなってしまうので、降りる方向にも注意が必要なのです。

 

支度は練習ナシのぶっつけ本番。

係からの再三の注意に全員の緊張が高まったところでいざ出陣~!

出発風景

綱曳資料館を出て、えびす通りから中央通りへ。東(あがり)の綱に孫悟空、三蔵法師、猪八戒、沙悟浄、浦島太郎、亀、魚が、西(いり)の綱に牛魔王(※1)、羅刹女(らせつじょ)、金閣大王、銀閣大王、乙姫、竜魔王(乙姫の父)、魚たちが向かいます。

 

綱の前で待機

綱の近くで待機する支度のみなさん。見物客から記念撮影の依頼が次々と…!

 

ほどなく道ジュネーが始まりますが、このつづきは次回の大綱曳ドキュメントをお楽しみに!

また、少年時代に支度を体験したという与那原町のローカルヒーロー、ヒジキブラックさんの「支度」回想録は番外編へ!

 

(※1)牛魔王、金閣大王、銀閣大王は西遊記に登場する化け物。羅刹女は牛魔王の妻

 

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取材協力/与那原大綱曳 支度部会

参考資料/「与那原大綱曳」