大綱曳き-与那原通(よなばるつう)-

大阪大正区での与那原大綱曳【本番編】

2012年11月5日(月)

今回大阪で行われた与那原大綱曳は、大正区の区制80周年と沖縄の本土復帰40周年を記念した「綱・ちゅら・エイサー祭 ~ 与那原大綱曳 in 大正区 ~」(大正区千鳥公園グラウンド)という大正区のエイサー祭りの中で行われました。

 

 

1万人以上の人々が参加し、1400人が曳いた8年振りの大正区での与那原大綱曳を取材してきました。

 

9月8日、大綱曳当日の大阪入りです。町長はじめ、副町長、教育長や役場の広報担当の方々と同行させて頂きました。

 

大阪に着くと、この日の天気が今にも雨が降りそうな曇り空で、移動中の車内でも雨が降りませんようにと大綱曳の成功を祈りながら 祭り会場の千鳥公園グラウンドに向かいます。

 

会場へ着くと周辺には与那原大綱曳ののぼりがあちこちに立っています。

 

 

「遠い大阪の地で与那原大綱曳ののぼりが立っている。。。」なんとも言えない嬉しさが込み上げて来ました。

 

会場そばの大正区役所では、支度(シタク)の皆さんが準備をしています。今回の支度は地元大正区の方々が大綱に乗ります。 カメラを向けると、化粧顔で笑ってくれますが、どこか緊張している様子です。

 

 

そして祭り会場へ。

 

祭り会場ではたくさんの出店が並び、沖縄そばにオリオンビール、ヒージャー汁まであります。 それを関西弁で「アンダギーどうでっか~!、おおきに~!」と声が飛び交うのを側で楽しく聞きながら会場をグルっと回ります。

 

 

グラウンドの観客席は大綱曳開始までまだ時間があるのにほぼ席は埋まっており、暑い中、大綱曳が始まるのを待っています。

 

メインステージ裏には大綱が置かれていて、大綱の周りには一目見ようと人が集まりビデオや記念写真を撮っています。

 

 

何度もシャッターを押している年配の方に「与那原の大綱を見てどうですか?」と訪ねてみると、「こんな大きな綱見たことないわ~。ホンマに持ち上がるん?どないして作るの?」と 質問攻めに。「毎年町民みんなで作るんですよ。」と教えると、「え~!信じられへん~!!」とさらに驚いていました。

 

しばらくして子ども綱曳が始まりました。

 

与那原東小学校から持ってきた子ども用の綱を地元の子ども達が元気よく担ぎ、力一杯曳いていました。

 

 

子供綱曳が終わると大綱曳の開会セレモニーが始まります。

 

大正区長をはじめ大会役員、沖縄からは副知事、町長、議長、実行委員長と挨拶をされてセレモニーが進行していきます。

 

 

セレモニーの中盤頃から大綱の周りに担ぎ手をはじめ、六尺や旗頭、メーモーイ(前踊り)に参加する地元の方々が集まってきました。

 

それぞれの持ち場について、係りの支持のもと、注意事項の説明や段取りなどの最終チェックを行っています。

 

 

セレモニーも無事終わり、刻々と大綱曳の時間が近づいてきます。

 

みんな段々とテンションが上がってきてメーモーイの方達は軽く太鼓を鳴らしながら本番前から踊りはじめていました!

 

 

開始10分前の合図が掛かりました!

 

担ぎ手達も「やったるで~!」と気合十分!

 

六尺からは「エイエイオー!」の掛け声が上がります。

 

会場の整理が終わると旗頭ガーエーの始まるアナウンスが流れます。

 

「行くぞー!」の掛け声で、ステージ裏が動き始めました。

 

ステージの両サイドからカナチ棒、東の旗頭、西の旗頭が入場します。

 

会場からは拍手と共に「お~っ!出てきたー!」の歓声が上がります! ガーエーが始まると六尺達は「サー!サー!」と大声を出して盛り上げます。 中にはテンションが上がり過ぎで「ウォー!楽しいー!」と叫んでるメンバーも。

 

 

旗頭ガーエーを終え、大綱を迎えに一旦ステージ裏に戻って来ると、大綱の担ぎ手達が今か今かと気合の入った顔で待ち構えています。

 

「そろそろ上がるよー!、チバリヨー!」と口々にする中、「ヴォ~~~!」と法螺貝が鳴ると同時に、「サーーッ!!」の掛け声で 大綱が持ち上がりました。

 

みんな気持ちと力が入っているせいか、傍から見ると「意外に軽いのかな?」と思ってしまうほど勢いよく担ぎ上げられました。

 

見事に担がれた大綱は、金鼓隊、メーモーイに先導されて会場に入ってきます。

 

 

会場の観客からは拍手はもちろん、指笛まで飛び交い、「でかーっ!、ホンマに龍みたいやな~!、人乗ってるし!」と驚きと感動を口にしていました。

 

大綱が会場を練り歩き、一旦降ろされるとメーモーイが始まります。

 

 

そして再び大綱が持ち上げられ、カナチ棒が入ります。

 

地元与那原では、カナチ棒が入るとすぐ大綱を落として綱曳が始まりますが、今回は安全面を考慮して降ろしてから綱曳が始まります。

 

それでもやはりカナチ棒が入る瞬間には緊張が走ります。

 

カナチ棒が入った大綱が降ろされるとみんな手綱を強く握り締め開始の合図を息を飲みながら待ちます。

 

遂に開始の合図が掛かりました!

 

綱曳が始まった途端に大綱が跳ねだします!地元でやる綱曳とは違う動きをしてます!

 

通常ならカマチ(頭)を少し持ち上げて地面に叩きつけるのですが、よく見ると地面につかずに上下に跳ねてます!!

 

大阪の、いや大正区の人達のパワーは凄い!!

 

大綱の後方で曳いている子供からご年配の方まで顔を真っ赤にして、体を斜めに倒して力いっぱい曳いています!

 

 

約3分間という短時間で決着がつき、西が勝利です!

 

「勝ったぞー!」と勝利の喜びをみんなで味わいます。

 

残念ながら負けてしまった東も悔しさを胸に西の勝利を称えます。

 

そして勝利を祝う西の旗頭が勇ましく飛び跳ね、メーモーイと一緒にみんなでカチャーシーを踊ります。

 

 

続いて2回戦。東が粘りを見せますが、1回戦に続き2回戦も西の勝利でした~!東残念。。

 

 

綱曳終了のアナウンスが流れると、みんなの健闘を称え合う拍手の中、フィナーレのカチャーシーが始まりました!

 

カチャーシーも手踊りだけでなく、会場にいる全員で歌にあわせて飛んだり跳ねたりと沖縄では見たことないようなカチャーシーです!

 

筋原大正区長や与那原町長をはじめとする祭り役員の方々ステージから降りてきてカチャーシーを踊っています。

 

大綱曳で疲れた様子も見せずにみんな笑顔で嬉しそうに踊っています。

 

会場の熱気がなかなか冷めないせいか、ステージで歌うカチャーシーも止まる様子がなく、かなり長いフィナーレとなりました。

 

 

とうとう時間一杯タイムリミットまで祭り会場には歌が流れ、最後までみんな踊っていました。

 

最後まで会場をビデオで撮影していると、少し興奮した様子でおばちゃんが話しかけてきました。

 

20年程前まで与那原に住んでいたという方で 「もう与那原にいた時は大綱曳が大好きで毎年見ていたよ~。20年振りに大綱を見て、当時の事を色々思い出してとても感動したさ~。本当にありがとうね~。」 と少し沖縄訛りが入った口調ですごく嬉しそうに目を潤ませながら話してくれました。

 

またその後ろにいた男性も「与那原ってスゴイね~!今度は私が与那原に大綱を曳きに行くよ!」と子どもを肩車しながら声を掛けてくれました。

 

 

そして会場に横たわる大綱を翌日のエイサー祭りの為にみんなで移動させた後、祭りの余韻に浸りながら綱を持ち帰ります。

 

 

片付け作業を終えた与那原のメンバーもほんのだけ少し疲れた顔を見せつつも、大成功に終えることができた喜びと達成感を口にしながら会場を後にしました。

 

この大阪大正区での与那原大綱曳は、大阪と沖縄、大正区と与那原を強い絆で結び、こんなにも熱い文化がある沖縄が自分のルーツである事の素晴らしさを伝える ことができたんじゃないかと思います。

 

本当に皆さんお疲れ様でした!そして大正区の皆さんありがとうございました!

 

 

 

文:come_san  写真:与那原町役場広報提供 & come_san